2014年に通達された「放課後子ども総合プラン」は、2007年に制定された「放課後子どもプラン」の少子化対策の一つである待機児童解消を強く意図した強化版施策である。「放課後子どもプラン」は、厚労省の学童保育サポート事業である「放課後児童クラブ」と文科省の小学生対象の放課後の居場所づくり事業である「放課後子供教室」の2つの事業が統合され2014に制定された施策だ。
「放課後子ども総合プラン」は、「放課後児童クラブ」(厚労省)に重点が置かれている。待機児童解消という御旗を掲げたことで、各自治体の取り組み促進、国からの補助なども手厚い。一方「放課後子供教室」(文科省)は「放課後児童クラブ」との有効な連携を図るといった程度で、大きな変化はないように見える。しかし、「放課後プラン」に再度光が当たったことで、「放課後子供教室」も、小中学校利用の推進、地域活動や生涯学習、ボランティアや民間活力の導入などを取り入れた新展開を期しているはずだ。

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第一次 阿部内閣による「放課後子どもプラン」

「放課後子どもプラン」は、第1次安倍内閣(2006年9月26日〜- 2007年9月26日)で制定された。安倍内閣メールマガジンの第17号 (2007/02/15)には以下のようなくだりがある。→原文はコチラ

 私は、少しでも多くの子どもたちにこうした空間を提供したいと考えており、「放課後子どもプラン」や「地域子育て支援拠点事業」を全国に展開しようとしています。社会総がかりの教育再生の第一歩です。

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強化された「放課後子ども総合プラン」

時を経て2014年、第二次安倍内閣で、待機児童解消加速化プランというべき「子ども放課後総合プラン」が制定された。共働き家庭等の「小1の壁」を打破するとともに、次代を担う人材を育成するための方針である。

 全ての児童が放課後等を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動を行うことができるよう、文部科学省と厚生労働省が協力し、一体型を中心とした放課後児童健全育成事業(以下「放課後児童クラブ」という。)及び地域住民等の参画を得て、放課後等に全ての児童を対象として学習や体験・交流活動などを行う事業(以下「放課後子供教室」という。)の計画的な整備等を進める。

2015年には、「子ども・子育て関連3法」も発令された。結果、学童保育に関する様々な制度や条例が変化しているが、ここでは省略。

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「放課後子ども総合プラン」における子どものプログラミング教育の可能性

今回の「子ども放課後総合プラン」は、「放課後児童クラブ(厚労省)の強化を目的としているが、一方で「子ども放課後教室(文科省)」にとってはその存在を明確化していくチャンスともいえる。放課後総合プランでは、民間参入による付加価値(有料)教育(スミング、習字、サッカー、音楽等々)も明記されており、今後充実が図られると考えるのが妥当。そして、額号保育のモデルとなっているイギリスやフランスなどでは、パソコン、プログラミング等がメニューに入っていることからも、子ども放課後総合プランへの子どものプログラミング教育導入の可能性はかなり高くなっている。

「放課後子ども総合プラン」【通知】→PDFはコチラ
「放課後子供教室」【文部科学省】→サイトはコチラ
「放課後児童健全育成事業」【厚生労働省】→資料はコチラ。→実施財団はコチラ

 

放課後NPOアフタースクール」に見る民間協力の動向

「子ども放課後教室(文科省)」では、これまで民間協力との接点が弱かった点が変更され、積極的に民間協力を図ることができるようになった。そのため、この分野での草分けである「放課後NPOアフタースクール」が、「放課後子ども総合プラン」勉強会などを開催し、自治体、教育関係者などとの取り組みを進めている。
「放課後NPOアフタースクール」は、プログラミング教育の導入の試みもかなり以前から行っており、サイバーエージェントのTech Kids Schoolなどとも協力して、アフタースクールへの取り組みを模索してきたようだ(2014年まで)。今後も、プログラミング教育などでは、他のNPOなどとも協力して展開していくことになるはず。動向は要チェックだ。